慈悲を育てる
心の平安を最大限に得るには慈悲と慈愛をそだてることが必要です。
他者の幸せを思いやればやるほど、自分のの幸福感も大きくなります。
他人に対して親愛のこもった優しい気持ちを持てばおのずと心が楽になります。
他者を慈しむ慈愛の心を育み、自分のことのように他者を大事に思うことに慣れて
いくこと、これは修行者だけでなく人生の成功の秘訣です。
仏陀教え
世尊はこう言われました。
「どんな悪い行いもしてはならない。あらゆる善行を積み、完全にあなたの心のあり方を変えなさい。」
私たち誰もが苦しみを望まず、幸せを望んでいます。
苦しみは悪い考えや行いの結果であり、幸せは善い考えや行いの結果です。しかし、言葉や態度を変えただけでは、悪行をなくし善行を積むことはできません。
心のあり方を変えることによってのみそれは可能なのです。
日々の生活の中で、悪い思いや感情を律し、よい考え方を育て実行していくことで、真の幸福が得られます。これはあっという間に結果が出るものではありません。何年にもわたる努力と忍耐が必要だと覚悟する必要があります。でも励み続ければいつか必ず到達します。しかし取り組まなければ、果てしない輪廻を繰り返すのです。
朝起きたらすぐ
霊的な成長を望むなら、朝起きたらすぐ自分の心を吟味し正しい動機を育てるようにしよう。これからの未来に向けて今日一日正しい行為と思考のあり方を実践しようと強く誓い、決意をあらたにしよう。正しいやり方で他者を助け、それができなくとも他者に害を与えないようにしようと考えよう。そして一日中常にその動機を心から離さないようにつとめよう。
就寝前には、朝たてた誓い通りに一日を過ごせたか振り返り、よい行いが見つかれば随喜し、増していくよう決意を確かなのにしよう。悪き行に気づいたなら懺悔しよう。そしてこのような悪しき行為により自分が苦しみを味わっていることをよく考え、このように繰り返していては将来も苦しみを得ることをよく考えよう。そしてよりいっそうよき心を育むように努力しよう。
日々実践し、努力を増していこう。
そのような日々の努力によって自分を進歩させていくことが出来ます。
希望をもって。
心を作り変える
仏陀や過去の偉大な成就者たちのの教えによって鍛え、作り変えていくことが重要です。
心の訓練の修行が、私たちの思考に根本的な変化をもたらし生き方を変化させていきます。
主には自己の放棄ですが、これは自己執着とそれにもとづく自己愛着を克服していくことです。
自己愛着が他者の気持ちを理解する妨げとなり,私たちのものの見方を、偏狭なエゴの視点に押し込めてしまいます。このものの見方を変化させることにより、普通私たちが持っている利己的な人生観を利他的なものに変えようとするのが正しい心訓練です。
常に、ポジティブな態度、思考、ものに見方を育て、ネガティブなものを弱めていく。
愛と慈悲を育てていく。
これは日々の実践と努力がなければ達成できないことでしょう。
しかし達成されれば、幸せで満ち足りた存在なるでしょう。
心の浄化
どんなに環境をかえても、
他者をコントロールしようとしても、
自分のこを浄化しなければ、本当に幸せになることは出来ない。
外的な状況設定をすることで、
一時的な、幸せっぽい幻影を作り出すことはできるが、
その幻影はもろく、儚く、無常であり、
かえって次の苦しみの原因となるばかり。
自分の心を浄化する以外に道はない。
完全な、壊れることのない幸せ、平安、安らぎをえたいなら、
自分の心を完全に浄化するしかない。
しかしこの事実は、逆に言えば、
自分の心さえ浄化すればいいのだ。
移り変わる現象を、自分のエゴに沿うように変えていくのは大変なことだ。
すべての状況を、エゴの満足するように設定し続けることなど、不可能だ。
しかし自分の心一つを浄化すれば、すべては解決する。
自分の心を浄化しさえすれば、幸せになる。
自分の心を完全に浄化するならば、完全な幸せが得られる。
なんと喜ばしい福音だろう。
これに気づいた人は、
今すぐ意識改革をし、
できるだけ早く、
今すぐに、始めるべきだ。
自己の心の完全浄化の作業を。
そしてその道こそがヨーガであり、仏教であり、
その道こそ、広めなければならない。
ヨーガスクールカイラス発刊『松川慧照エッセイ集11』より